WRCアルゼンチン 早くも第5戦。

プリウスPHV

WRCアルゼンチン:苛酷なグラベルラリーに3台のヤリスWRCがチャレンジ

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racing WRTは、4月26日(木)から29日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリーアルゼンチンに、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組、オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組の、3台のヤリスWRCで参戦する。

ラリーアルゼンチンは、第3戦ラリーメキシコ以来となる今シーズン2回目のグラベルラリー。ラリーの中心となるサービスパークは、アルゼンチンの大都市コルドバからクルマで30分程走ったところにある湖畔の町「ビジャ・カルロス・パス」に置かれる。アルゼンチンは南半球に位置するため、4月下旬は秋の始まりとなり天気はやや不安定。雨が多く降る年もあり、山岳地帯では濃い霧が出たり、雹(ひょう)が降ることもある。コースはグラベルですが非常にバリエーション豊かで、谷間のステージは全体的に高速で路面が軟らかいところが多く、同じステージを2回目に走行する際は深い轍が大きな問題となる。また、山岳地帯のステージの多くはコースサイドに大きな岩が迫り、路面には石や岩が多く散らばっているため、クルマはダメージを受けやすく耐久性の高さも重要となってくる。

ラリーは26日(木)の夜に全長1.9kmのスーパーSS「ビジャ・カルロス・パス」で競技がスタートし、翌日27日(金)からサービスパークの南側エリアに広がるカラムチータ谷の周辺で本格的なグラベルSSが始まる。3本のステージを午前と午後で各2回走行し、日中のサービスの直前にはサービスパーク近くで全長6.04kmのスーパーSS「フェルネット・ブランカ」が1本行われる。28日(土)はサービスパークの西北エリアに展開する山岳地帯で3本のSSを各2回走行し、前日と同様日中にはスーパーSSが1本用意される。そして、競技最終日となる29日(日)は、サービスパークの西南エリアで3本のSSを走行。SS16はこのラリーを代表する名物ステージ「エル・コンドル」で、その再走ステージとなるSS18はパワーステージに指定されている。4日間で18本のSSが行われ、その合計距離は358.25km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1300.65kmとなる。

トミ・マキネン(チーム代表)
「初出場だった昨年のラリーアルゼンチンからはもちろん、これまでのラリーから多くを学び、今年は昨年以上に良い戦いができるのではないかと思っています。我々のクルマは常に進化していますし、2回目の出場となるラリーアルゼンチンでは1回目よりも有利に戦いを進めることができます。とはいえ、ライバルも以前より速さを増しているので力関係に大きな差はなく、きっとスタート直後から素晴らしいバトルとなるでしょう。我々はイタリアのサルディニア島で事前テストを行ないました。 なぜならヨーロッパにおいてサルディニアの道はもっともアルゼンチンに近いコンディションであるからです。アルゼンチンでは多種多様な路面と対峙します。軟らかい路面もあれば、硬い路面もあり、岩や石が転がる荒れた路面、そしてクリーンな路面も走行します。それらすべての路面に適応することは、我々にとって最大の挑戦となるでしょう。最後に施した改善が狙い通りに機能し、コンディションや環境の変化にクルマが上手く対応し強さを発揮してくれることを期待しています。我々のドライバーは皆ラリーアルゼンチンを楽しみにしていますが、私も現役時代アルゼンチンは大好きなラリーのひとつでした。とても難しく大きなチャレンジでしたが、同時に心から走りを楽しめるラリーだったという記憶があります」

ヤリ-マティ・ラトバラ
「2014年の優勝を含め、ラリーアルゼンチンには楽しい思い出が沢山あります。本当に挑戦し甲斐があるイベントなので、上手く行った時はとても大きな満足感が得られます。様々な路面が良いバランスでミックスされているのがラリーアルゼンチンのコースの特徴です。金曜日は谷間の軟らかい路面を走行するハイスピードなSSが多く、土曜日には山岳地帯の荒れた路面を走ります。 そして日曜日には、今年もパワーステージに指定された有名なエル・コンドルを走行しますが、コース脇の丘にはいつも大勢のファンが集まり声援を送ってくれる素晴らしいステージです。ラリーアルゼンチンはクルマに大きな負荷がかかる1戦ですが、我々チームは昨年の大会から多くを学びました。全員で一生懸命働き続けクルマをコンスタントに改善してきたので、今年はきっと成長した姿を見せることができるでしょうし、その結果としてポイントを獲得できれば嬉しく思います」

オット・タナク
「ラリーアルゼンチンは常にとてもタフなイベントです。スムーズで高速な良いステージがある一方で、技術力と注意力が求められるテクニカルな道も多く、週末の間にいくつもの異なる条件の道と対峙することになります。また、路面コンディションも非常に悪くなりやすいので、クルマにとっても大変なラリーです。昨年私は総合3位でフィニッシュしたので、今年は自信を持ってラリーに臨むことができます。 また、サルディニア島で行なった事前テストでは、期間中に路面がウェットからドライに変化し、アルゼンチンと同じくらい荒れた路面も走行したので、アルゼンチンに向けたテストとしては非常に得ることが多く満足できました。クルマの進化には自信を持っていますので、ライバルとの戦いを楽しみにしています」

エサペッカ・ラッピ
「ラリーアルゼンチンへの出場は今回が初めてですが、過去にレッキ(コースの事前下見走行)を2回行なったので、どのようなラリーであるかは思い描くことができます。路面は所々非常に悪化しやすく、岩や石が転がっている道も多いと聞いていますので、そのような路面ではいつも以上に注意して走る必要があるでしょう。金曜日のSSは土曜日よりも路面が少し軟らかいため難しく、日曜日のSSは山岳地帯が舞台となり、固い路面に岩や石が散らばり、砂や埃が覆う滑りやすいルーズグラベル状態となった道が多いと思います。 ひとつ前のグラベルラリーだったメキシコでは非常に多くを学んだので、ラリーアルゼンチンではより良い戦いができるという自信があります。色々なことが起こり得るラリーですので、できる限りトラブルを避けて走ることが最大の目標ですが、どのような展開になるのかとても楽しみです」